例によって例のごとく、原作は読んでおりません。
映画しか見ていないので、映画を見て感じたことのみの感想になります。
今回はまだ公開が始まったばかりということで、ひとさまの感想や批評もさっぱり見ずに(プロの評論家などのも)行ったので、先入観があるとしたら「ジブリ作品に対する期待」というやつのみだったと思ってます。
まあ……テレビCMならたっぷり見てますけれども(笑)
かなり重要な部分(結末とか)のネタバレも含みますので、これから観に行かれる方はこの先注意です。
映画しか見ていないので、映画を見て感じたことのみの感想になります。
今回はまだ公開が始まったばかりということで、ひとさまの感想や批評もさっぱり見ずに(プロの評論家などのも)行ったので、先入観があるとしたら「ジブリ作品に対する期待」というやつのみだったと思ってます。
まあ……テレビCMならたっぷり見てますけれども(笑)
かなり重要な部分(結末とか)のネタバレも含みますので、これから観に行かれる方はこの先注意です。
ストーリーとしては、
人と竜が別れて住む世界。人の世界では近年作物が枯れ飢饉が起こり、異常気象で時期外れの嵐が起こったり、人の意識がおかしくなっていく。
とうとういるはずのない竜が人の世界に姿を見せるようにまでなり、ある国の王はそれらの原因の究明と対策に追われている中、息子に刺されて倒れる。
一方、大賢人ゲドはおかしくなり始めた世界を見て回る旅の途中で、ひとりの少年を拾い共に旅をすることにする。
その少年こそが、父王を刺して逃亡中の王子アレンだった……。
という導入なのですが、観終わって最初に思ったこと
「これは子供向けじゃないなあ」
子供にはさっぱり判らんだろう、とまでは言いませんが、子供が観て楽しいかと言われると疑問です。
かつてファーストガンダムを観ていた子供たちは、その反戦性などには気付かずにモビルスーツとかシャアとかアムロとかにハマッていたわけですが、それと同じにハイタカやアレンやドラゴンに憧れられるかというと……派手さが足りないと思うのです。
まあ、私自身は今はもう子供じゃないので、当の子供たちはそんなことないというかもしれませんけれど。
じゃあ面白くなったのかと聞かれると、私は個人的には好きでした。
ナウシカとかラピュタみたいに大好き!というわけではなく、そこはかとなく好き。
ハイタカ(真名がゲド)が渋くてアレンが可愛かったからすべてよし!!
……だけじゃないですけれども(笑)
お話は基本的にアレンの心の闇が中心となっていて、世界が狂い始めたということは、実は舞台設定でしかないんですよ。
テレビCMを見てたら世界救済の話かと思ってたのに(^^;)
狼に襲われているアレンをハイタカが助けて、そこから一緒に旅をしようということになるのが二人旅の始まり。
単に道連れが欲しかっただけのわりには、アレンが怪しい薬売りに捕まりかけたら割って入り、人買いに攫われれば魔法を使って居場所を探り当てて助けてに来たり、妙に保護者なハイタカ。
結局映画中ではハイタカがアレンに優しくする理由が判らずのままなんですが、そこをクモという敵の魔法使いが「どうしてハイタカはお前に優しいと思う?」と隙として突くから上手く絡んではいます。
アレンは非常に不安定な少年で、普段は消極的というか大人しい様子なのに、突然暴力的に豹変して「命など惜しくはない」などと言いながら、人買いを殴り倒したりします。父親も刺して逃げて来てるしね。
父王は立派な人でした。政務に忙しくてたぶん、親としては落第点な人だったのかもしれませんが、刺されるほどの人じゃなかった。
ではどうして刺したのか。
「僕にも判らない……」
などと現代社会の凶悪事件を彷彿とさせるような恐ろしい答え。
その象徴のように、ドッペルゲンガーのようなものに追われて怯えている様子が出てくるのですが……。
実はそれもこれも、元来の臆病さで自分の中の「闇」を見続けたせいで、逆に「光」を見失い、弾き出された「光の心」が本体を追って来ていたのでした。
つまりは闇の心で見るから、光の心が邪悪に見えたんだ……と解釈しております。正反対の存在だから。
光を自分の中から弾き出してしまったとき、立派な父親の息子であるプレッシャーに耐え切れずに父親を刺して、魔法の剣を盗んで逃げ出した、という。
お、お~い……。一人相撲かよ!(^^;)
さて、そこで冒頭の舞台設定。世界の様子がおかしくなっていく、ということですが、これは敵の魔法使いクモが理由を述べています。
「人の欲望が世界の均衡を崩しているのだ。人の欲望には際限がない。世界は崩れゆくしかない」
魔法使いの基本的概念として「世界は均衡を保ちながら回っている」というものがあるようなのですが、その中でも人間だけはその均衡を崩すことができる存在である、と認識されてようで。
結局、世界が狂い始めた「これ」という理由はないんです。
これ、どこの世界の話ですって?
闇に囚われて理由なく人を刺したという主人公とか、異常気象は人間のせいだとか、普通に「日本」とか「地球」に置き換えられそうな話……。
魔法とか奴隷とかの存在はあるんですけどね、まあ、そういう啓蒙アニメだったのか、と納得。
ろくに前評判も煽り文句も見ずに行ったので、冒険物語かと思っていた私が悪かったよ……。
物語の中心はアレンの心の闇で、恐らく何度も出てきた「命を大切にすること」がテーマだとは思うのですが、この「命を大切にする」という言葉が何度も何度も出てくるので、クモに騙され操られたアレンを説得するためにハイタカが高尚なことを言っても、いまいち感動が……薄い(^^;)
その前に似たようなことをヒロインのテルーがアレンに言ってるしねー。
「死ぬのが恐くないというのは、生きることが恐いということだ」
「永遠に生きたいと願うことは、生きることを捨てることだ。死があるから生がある」
……こういう決め台詞はここぞ!というときに取っておいて欲しかった。
でもって世界崩壊は結局解決策など見つかりません。
そりゃそうだ。世界の人々の欲が起こしていると言っても、具体的な問題がわかったわけでもなく、いきなりみんなが改心できるはずもなく。
だから、世界の崩壊は舞台設定でしかないと思ったわけです。
これを舞台設定と思わないと、途中で主題が切り替わった(あるいは主題が未解決な)中途半端な作品に見えるかもしれません。
そして本題のアレン少年は、父を刺したことを償いに国に帰る、というところで物語は終わるのでした。
はっ、ヒロインのテルーについてほとんどノータッチだ(^^;)
ゲド戦記を見ていて、ついもののけ姫を思い出しました。
人間嫌いのテルーとサンがかぶるのはまだしも、アシタカとアレンは……かぶらんな、うん……。ただ「迷う者」としては同じ役柄だったと思います。ヤックルにも乗ってたし(笑)
スカッと爽快なエンターテイメントを求めて観に行くと、ちょっと座りが悪い物語かもしれません。
好き嫌いが分かれそうな話なのでお勧めとは言えませんけれども、私は好きな映画でした(^^)
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こんばんは。
私もゲド観てきました。有名な原作だということですが、秋葉様と同じくまったく内容を知らない状態で行きました。
正直言うと、けっこう面白いとは思いますが2回目も行こう!という気にはなりませんでしたね。
でも、秋葉様の感想見て「なるほどー」と思ってしまったあたりもう一度しっかり観て来い!って感じですが(^^;)
ゲドは、話しの流れ上いろいろとツッコミたいところもありましたし、すごいすっ飛ばし感があったのできっと原作読んでいる方から見たらぶつ切り状態の作品に見えたんではないかとι
まぁ、尺のこともありますからしょうがないんでしょうけど、アニメの前後編とかってやらないんですかね。
あとは今までのジブリ作品とは表情の付け方がずいぶん違って吃驚しました。
ジブリ作品って基本的にあっさりキャラなのに、リアルっぽくしわが入ってて、アレンの表情がシーンによってちょいキツめでしたね。私はそれもけっこう好きですが(笑)
今のとこ公開されてる長編アニメ映画ではブレイブもいいですが、やはり時をかける少女が一番お勧めです。
ブレイブはキャラがものっそいラブですvお話しはちょっと飛ばしすぎで話全体がちょっと厳しいかと思いますが、ゲドよりは子供向けですね(^^)
時かけはキャラも素敵ですし、話の雰囲気やまとめ具合もすごく上手くて全体的な完成度が高いと思います。こちらは子供というか、中・高生向けでしょうか。でもこれはどの年代の方が見ても面白いんではないかしら。
まるマゲーム。毎日ちょこっとずつ進めてやっとスヴェレラに入りましたvよっしゃ!ifバージョンがんばりまする(笑)
正直言うと、けっこう面白いとは思いますが2回目も行こう!という気にはなりませんでしたね。
でも、秋葉様の感想見て「なるほどー」と思ってしまったあたりもう一度しっかり観て来い!って感じですが(^^;)
ゲドは、話しの流れ上いろいろとツッコミたいところもありましたし、すごいすっ飛ばし感があったのできっと原作読んでいる方から見たらぶつ切り状態の作品に見えたんではないかとι
まぁ、尺のこともありますからしょうがないんでしょうけど、アニメの前後編とかってやらないんですかね。
あとは今までのジブリ作品とは表情の付け方がずいぶん違って吃驚しました。
ジブリ作品って基本的にあっさりキャラなのに、リアルっぽくしわが入ってて、アレンの表情がシーンによってちょいキツめでしたね。私はそれもけっこう好きですが(笑)
今のとこ公開されてる長編アニメ映画ではブレイブもいいですが、やはり時をかける少女が一番お勧めです。
ブレイブはキャラがものっそいラブですvお話しはちょっと飛ばしすぎで話全体がちょっと厳しいかと思いますが、ゲドよりは子供向けですね(^^)
時かけはキャラも素敵ですし、話の雰囲気やまとめ具合もすごく上手くて全体的な完成度が高いと思います。こちらは子供というか、中・高生向けでしょうか。でもこれはどの年代の方が見ても面白いんではないかしら。
まるマゲーム。毎日ちょこっとずつ進めてやっとスヴェレラに入りましたvよっしゃ!ifバージョンがんばりまする(笑)
そうなんですよね~
おお!カズマさまも観賞されましたか!
そうなんですよね、面白いけど2回、3回と見に行こう!……というほどではなかったです(^^;)
私のヘボ感想で納得してもらえると畏れ多いやら慌てるやらですが、読み返すと色々書き忘れていることがあったりします……とりあえずひとつ付け足すと、テルーの歌は耳に残る(笑)
いや、一度耳にすると長く口ずさむもので(^^;)
ネットで色々見てみますと、どうやら原作でアレンの登場というか、国を出た理由などもう全然違うようです。
影と戦うのは1巻のゲドで、崩壊しつつある世界は3巻の話、と。
ただでさえ2時間しかないのに、なぜそんな無謀なことを……(^^;)
あと、仰るとおり表情の違いは目立ちましたね。
特に目立ったのはアレンですが、私もそこが好きでしたv
ブレイブストーリーは原作を読んで観に行った人から内容が薄い!という感想を聞きましたが、聞く人みんながキャラがいい!と。
……そ、そこまで魅力なのかとちょっと、かなり気になります(笑)
時をかける少女はノーチェックでした……!昔見た実写版のイメージがあったんですが、どうやら全然違う話のようで興味がむくむくと。
時間を見つけて行ってみたいと思います。急がないと、また気付けば公開終了になっちゃう(^^;)
まるマゲームは我慢できずにPS版をさわりだけやってみました。サクサク進むので別のゲームよりこっちを先にプレイしたほうがいいような気がしてきました(笑)
カズマさまはやはりifからですね!?
私は原作沿いから行ってみようかと思っております~。
そうなんですよね、面白いけど2回、3回と見に行こう!……というほどではなかったです(^^;)
私のヘボ感想で納得してもらえると畏れ多いやら慌てるやらですが、読み返すと色々書き忘れていることがあったりします……とりあえずひとつ付け足すと、テルーの歌は耳に残る(笑)
いや、一度耳にすると長く口ずさむもので(^^;)
ネットで色々見てみますと、どうやら原作でアレンの登場というか、国を出た理由などもう全然違うようです。
影と戦うのは1巻のゲドで、崩壊しつつある世界は3巻の話、と。
ただでさえ2時間しかないのに、なぜそんな無謀なことを……(^^;)
あと、仰るとおり表情の違いは目立ちましたね。
特に目立ったのはアレンですが、私もそこが好きでしたv
ブレイブストーリーは原作を読んで観に行った人から内容が薄い!という感想を聞きましたが、聞く人みんながキャラがいい!と。
……そ、そこまで魅力なのかとちょっと、かなり気になります(笑)
時をかける少女はノーチェックでした……!昔見た実写版のイメージがあったんですが、どうやら全然違う話のようで興味がむくむくと。
時間を見つけて行ってみたいと思います。急がないと、また気付けば公開終了になっちゃう(^^;)
まるマゲームは我慢できずにPS版をさわりだけやってみました。サクサク進むので別のゲームよりこっちを先にプレイしたほうがいいような気がしてきました(笑)
カズマさまはやはりifからですね!?
私は原作沿いから行ってみようかと思っております~。